2008 Fiscal Year Annual Research Report
超対称ゲージ理論におけるBPSソリトン及びその有効理論の研究
Project/Area Number |
08J04268
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
長島 崇行 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超対称性 / 統一理論 / ソリトン |
Research Abstract |
1.既に構成されていたドメインウォールとボーテックスから成る複合ソリトンの厳密解を利用して、その系におけるボーテックスの運動を調べた。この研究において明らかになった興味深い点は、ボーテックスの運動が荷電粒子の運動とある極限で一致しているという点である。ボーテックスはウォール上の双対有効理論においては、スカラー荷と電荷をもった荷電粒子に見える。そこで、それら荷電粒子がどのように運動をするか調べたところ、ウォールとボーテックスが十分に離れている場合における、ボーテックスの運動と一致していることがわかった。この事実は超弦理論への応用が期待される。 2.異なる結合定数をもつU(1)×SU(N)ゲージ理論においてボーテックスの内部構造、つまりU(1)フラックス及びSU(N)フラックスのサイズがどのように変化するのかを調べた。U(1)とSU(N)フラックスのサイズは、ヒッグス真空中におけるU(1)ゲージ粒子及びSU(N)ゲージ粒子のコンプトン波長で与えられると予想される。しかし、実際には複雑な構造をもつことがわかった。通常の系では両者の結合定数が一致している場合は稀であり、異なる場合を調べたことは今後の応用へ大きな意義がある。 3.U(1)×SU(N)ではなく、U(1)×SO(N)及びU(1)×USp(2N)ゲージ理論におけるボーテックスのモジュライ空間を調べた。この論文で明らかになった面白い点は、ボーテックスのモジュライ空間の特殊な点が、デュアル群のある表現のウェイトベクトルと一対一に対応しているということである。つまりこれは、ボーテックスはデュアル群のある表現として理解出来るということを示唆している。同様のことはモノポールで既に知られており、モノポール・ボーテックスの複合ソリトンを双対性を利用して、クウォークの閉じ込め問題へ応用することが、今後の大きな目標となる。
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