2009 Fiscal Year Annual Research Report
J-PARCでの半導体検出器・原子核乾板混合様式を用いたダブルハイパー核の探索
Project/Area Number |
08J04291
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡村 敦史 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ストレンジネス / ハイパー核 / J-PARC / エマルション / DSSD / H粒子 / ダブルハイパー核 / 実験核物理 |
Research Abstract |
平成21年度、J-PARCハドロンホールのK1.8ビームラインにおいて初のビームチューニングを行った。同ビームラインでは本課題研究であるダブルハイパー核の探索を含め多くの実験が行われる予定であり、ストレンジクォークを含んだハドロン多体系の理解に大きな進展をもたらすものと期待されている。 ビームチューニングの目的は検出器群の動作確認、および本研究課題をはじめとした実験で要求されるビーム条件を満たすためのパラメータ決定であった。私はビームラインの検出器群の設置、および調整を主に担当した。ビームラインの検出器としてはトリガーロジック作成用のビームホドスコープ、チェレンコフカウンターなどのカウンター群、運動量測定用の位置検出器としてチェンバー群がある。私はこれらの検出器群を200μmの精度で設置し、π中間子、陽子、K中間子ビームを用いての動作確認を行い、付加電圧、タイミングなどのパラメータの決定を行った。チューニングの結果、ビームラインの運動量を10^<-4>の分解能で測定可能であることを明らかにした。この結果は先行実験が多数行われたK6ビームラインとほぼ同性能、もしくはそれ以上の性能をK1.8ビームラインは達成できていると示すものであり、本研究課題を含め、同ビームラインにおける初期実験の要求を満たすものであるということが示された。平成22年度より、K1.8ビームラインにおいて物理結果を求める実験を行う予定である。本年度はその準備段階としてビームを用いてテストデータを取得し、同ビームラインの初期実験の要求を満たすことを示したという点で非常に重要な年であったと言える。
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