2008 Fiscal Year Annual Research Report
カイラル対称性を持つ相対論的平均場によるハイパー核と高密度天体現象の研究
Project/Area Number |
08J04326
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
椿原 康介 Hokkaido University, 大学院・理学院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | カイラル対称性 / 高密度状態方程式 / ハイパー核 |
Research Abstract |
2008年度は強結合近似格子QCDから解析的に導かれるlog型のカイラルポテンシャルを含むRMF模型によってΛハイパー核の実験データを説明し、更にΣハイペロンのクーロン束縛状態の再現、実験から示唆されるΞのポテンシャルを再現することにより、ハイペロンの現れる高密度天体現象に用いることのできる状態方程式の作成に従事した。 しかし、これらデータを説明するような状態方程式を作成したところ、観測されている中性子星の最大質量を過小評価する結果となった。そこで我々はまず、状態方程式を高密度側でエネルギーを稼ぐような過程を取り入れる必要があると判断した。 まず、σ-ω中間子間の結合をω中間子の質量項に導入することでその過程を達成することができるかを確かめた。ただし、結果としてはより、中性子星の最大質量を過小評価する傾向が強まることが判明した(2008年日本物理学会秋季大会、PANIC08で発表)。 次に、今まで用いてきたlog型のカイラルポテンシャルを、有限温度を取り入れた計算から示唆されるSinh^<-1>型のカイラルポテンシャルへ変更することによって先の問題を解決できるか調べた。その結果、log型に比べ、高密度で斥力を抑えるベクトル中間子のポテンシャルの強さを抑えることに成功した。従って、高密度状態方程式を核中でのハイペロンの性質を再現した上で説明し得ることを示すことが出来たといえる。
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Research Products
(4 results)