2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J04392
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本田 稔 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シナプス可塑性 / STDP / 神経回路 / 方向選択性 / 網膜視蓋系 / コンピュータシミュレーション / NMDA受容体 |
Research Abstract |
昨年度に続き、コンピュータシミュレーションを用いたスパイクタイミング依存シナプス可塑性(STDP)による受容野形成メカニズムの解析と、STDPのメカニズムを検証する実験を行なった。 <受容野形成メカニズム>視覚系神経細胞の受容野が示す特徴の1つとして、方向選択性と呼ばれる性質がある。この性質は、動く物体を認識する際に必要となる性質であり、生後、外界からの視覚刺激を受けることで獲得される。カエルのオタマジャクシを用いた先行研究により、STDPが視蓋ニューロンの方向選択性の獲得に関与することが示唆されている。本研究の目的は、そのメカニズムを、数理モデルを用いて明らかにすることである。昨年度までに、文献を基にした実験の知見を基に、数理モデルを構築した。本年度は、パラメータの調整や、モデルの修正を行なうことで、先行研究の実験結果を詳細に再現することに成功した。さらに、そのモデルの解析を通して、方向選択性を学習するメカニズムを提案した。現在、学術誌に投稿すべく準備を進めている。 <STDPのメカニズム>我々は、以前、数理モデルを用いたアプローチにより、STDPにはNMDA受容体の新規なアロステリック効果が必要であることを示した。本研究では、その性質を実験によって検証することを目的としている。昨年度までに、電気生理学の実験系を立ち上げており、本年度は検証実験を進めた。現在までのところ、仮説を指示する結果を得ることは出来ていない。しかし、仮説が棄却された訳ではなく、更なる実験を継続する必要がある。
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Research Products
(2 results)