2010 Fiscal Year Annual Research Report
窒素配位子―遷移金属による種々のカップリング反応触媒の開発
Project/Area Number |
08J04417
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
羽根田 聡 神戸大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | カップリング反応 / 銅触媒 / 薗頭型反応 / イミダゾール / イミダゾリン / ピラゾール |
Research Abstract |
カップリング反応は炭素-炭素結合および炭素-ヘテロ原子結合形成反応に用いられる重要な合成手法として、近年、精力的に研究されている。当研究室ではイミダゾールおよびイミダゾリン骨格を有する窒素配位子の開発を行っており、パラジウム触媒を用いた溝呂木-Heck反応や鈴木-宮浦反応を報告している。しかし、貴金属であるパラジウムは埋蔵量やコスト面での問題が指摘されている。そこで、「脱パラジウム触媒」を推進するため普遍金属触媒系を用いたカップリング反応の開発に取り組んだ。昨年までに銅触媒N-アリール化反応を効率的に促進する触媒系を学術誌へ投稿し受理された。今回、さらに普遍金属触媒の適用範囲を拡充すべく、銅触媒薗頭型反応を行った。 有機ハロゲン化物とアルキンのカップリング反応である銅触媒薗頭型反応は1993年に三浦らによって報告された。しかし、この系では配位子として空気に不安定なホスフィン配位子を用いている。そこでイミダゾール配位子を用いて検討を行った。様々な単座・二座のイミダゾールおよびイミダゾリン配位子を用いたが顕著な配位子による加速効果は見られなかった。しかしながら、ピラゾール骨格を有するビスピラゾリルメタン配位子を用いることにより良好な収率で銅触媒薗頭型反応が進行することを見出した。
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Research Products
(2 results)