2009 Fiscal Year Annual Research Report
光格子トラップ中の2準位原子量子ビットを用いた幾何学的量子操作の研究
Project/Area Number |
08J04419
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
今井 弘光 Tokyo University of Science, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 量子情報 / 幾何学的操作 / ボース・アインシュタイン凝縮体(BEC) / ナトリウム原子 / 光格子トラップ / ラムゼー干渉計 / 2準位原子 / 2光子誘導ラマン |
Research Abstract |
今年度は、主に3つの成果を上げた。 1.ナトリウムボースアインシュタイン凝縮体(以下,NaBEC)を用いたRamsey干渉計の構成 磁気トラップに捕捉されたナトリウム原子を30秒程の蒸発冷却により、F=1,m_F=-1状態で2×10^7個のNaBECを生成した。そして、磁気トラップから解放し、ラジオ周波数を印可することにより、F=1,m_F=-1→F=1,m_F=0に46%移行させた。その後、π/2パルスの2光子誘導ラマンパルスを10msの間隔で2本照射することにより、時計遷移のRamsey干渉計を構成し干渉信号を観測することに成功した。そのとき、単一測定で、鮮明度96%、周波数分解能6×10^<10>が得られ、冷却原子に比べて非常に高いSN比を得ることができた。 2.BECの幾何学的位相操作 ユニバーサル単一量子ビット演算(U_3-U_2-U_3)を構成するU_3,U_2演算を、解放されたBECに対して幾何学的位相操作により行った。U_3は、連続したπ-πパルスに対して後ろのパルスにδ/2の相対位相を与えることにより、(1.97±0.08)×δ/2で、またU_2は、連続したπ/2-π-π/2パルスの真ん中のパルスにπ+δ/2の相対位相を与えることにより、(1.97±0.07)×δ/2で検証することができた。 3.光格子トラップへの移行 1,2では、解放されたNa原子を利用したが、重力落下により干渉時間や操作時間が制限される。そこで、光格子トラップポテンシャルにBEC原子をロードすることにより干渉時間を長くすることを目的に、350mWのYAGレーザーを50μmに絞り凹面鏡により返すことで30μKの周期ポテンシャルを形成した。そして、転移温度1μK程度のBECを生成した後、磁気トラップから解放することで、Na原子を光格子ポテンシャルで約50%程度トラップし、寿命500msを得ることに成功した。
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Research Products
(9 results)