2009 Fiscal Year Annual Research Report
応力逆解析に基づく宮城県沖の海陸プレート境界の摩擦強度のマッピング
Project/Area Number |
08J04429
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 健介 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 宮城県沖地震 / メカニズム解 / 余震活動 / 応力場 / プレート境界 / 地震時すべり / 応力擾乱 |
Research Abstract |
本研究の目的は,宮城県沖の海陸プレート境界近傍の応力場および摩擦特性のマッピングを行い,プレート境界型地震の発生機構を理解することである.プレート境界近傍の応力場および摩擦特性は(大)地震発生予測において非常に重要となる.応力場・摩擦特性を議論するためには宮城県沖における多くの地震の詳細な震源分布・メカニズム解の分布が必要となる.そのために,2005年に発生した宮城県沖地震の余震(2005年8月16日~2007年12月31日)について海底地震計のデータを用いて震源分布を求めた後にP波初動極性およびS/P振幅比を用いることでメカニズム解を推定し,応力場の推定をするともに2005年宮城県沖地震による応力変化を求めた.その結果,2005年宮城県沖地震の破壊域東端では本震の地震時すべりによる応力擾乱によって引き起こされたようなメカニズム解を持つ地震がクラスター状に発生している.さらに宮城県沖の応力場を推定したところ,これらの地震は推定された広域応力場から期待されるすべり方向と異なる方向に断層がすべっているとともに本震の地震時すべりによるΔCFFは正の値を持っている.このことから本震破壊域東端の地震は,本震の地震時すべりに起因する応力擾乱の影響を受けて発生した地震であると考えられる. これらの地震は空間的に一様に発生しているわけではなく本震破壊域東端のみで発生している.このことから,これらの地震は摩擦特性の空間不均質を反映している可能性があり,より詳細にしらべることによって摩擦特性の不均質のマッピングにつながり,宮城県沖における地震発生予測に役立てることができるだろう.
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Research Products
(3 results)