2008 Fiscal Year Annual Research Report
応力逆解析に基づく宮城県沖の海陸プレート境界の摩擦強度のマッピング
Project/Area Number |
08J04429
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 健介 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 宮城県沖地震 / 震源球 / 余震活動 / 応力場 / プレート境界 / 地震時すべり |
Research Abstract |
本研究の目的は,宮城県沖の海陸プレート境界近傍の応力場および摩擦特性のマッピングを行い,プレート境界型地震の発生機構を理解することである.プレート境界近傍の応力場および摩擦特性は(大)地震発生予測において非常に重要となる.応力場・摩擦特性を議論するためには宮城県沖における多くの地震の詳細な震源分布・メカニズム解の分布が必要となる.そのために,Double-Difference法を用いて海底地震計が設置されている2003年〜2007年の地震の震源分布を求めた後にP波初動極性およびS/P振幅比を用いることでメカニズム解を推定した.その結果,2005年宮城県沖地震の破壊域東端では本震の地震時すべりによる応力擾乱によって引き起こされたようなP,T軸を持つメカニズム解の地震がプレート境界より浅い場所で多く発生している.したがって,余震活動の一部は本震の応力擾乱を強く受け,本震断層外において発生する地震であることが確認された. また,推定されたメカニズム解を用いて宮城県沖の応力場の推定を試みた.その結果,前述の余震活動は広域応力場からのずれが大きく応力擾乱によって発生した地震であることをより示すことができた.また,プレート境界よりも浅部・深部で発生した地震に分けて応力場を推定したところ,浅部・深部で応力場は異なっていた.このことから,今回解析した期間においては宮城県沖のプレート境界は固着が弱いことが示唆される.固着の強度がわかったために宮城県沖における地震発生予測に役立てることができるだろう.
|
Research Products
(3 results)