2009 Fiscal Year Annual Research Report
回転選択性を利用した新規立体選択的電子環状反応の開発と生体機能性分子の合成
Project/Area Number |
08J04451
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
八道 健太郎 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | stemonamide / ナザロフ環化反応 / 回転選択的オレフィン化 / C-Hアミノ化反応 |
Research Abstract |
独自に開発した新規ナザロフ反応の発展研究として、本反応を用いた生理活性天然物の合成研究を開始した。 鎮咳、駆虫作用を有する民間薬であるツルビャクブの根より単離・構造決定されたstemonamideは、2連続スピロ型不斉中心を含む4環性アルカロイドであり、合成及び創薬化学的見知から魅力的な化合物である。今回私は所属研究室にて独自に開発された回転選択的オレフィン化反応及び研究者が独自に開発した高速ナザロフ反応を用いて、stemonamideの合成研究に着手した。 初めに、容易に得られるエステルを出発原料として回転選択的オレフィン化反応にふすことによりα,β-不飽和エステルを高幾何異性選択的に得た。これより4工程をかけてナザロフ反応の基質となるβ-アルコキシジビニルケトンへと誘導した。これに対し、塩基としてt-BuOHを用いてβ-脱離を伴う高速ナザロフ反応に付すことにより所望のエキソオレフィン部位を有するシクロペンタジエノンを得ることに成功した。これを基点としてさらに8工程をかけてカーバメート誘導体へと変換し、続いての鍵反応であるRh触媒を用いたC-Hアミノ化反応に付した。結果、所望の含窒素不斉炭素を有し、適切な官能基を備えたstemonamideのA環の構築に成功した。現在、その後の合成ルートの検討を行っている。
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Research Products
(4 results)
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[Book] Science of Synthesis2009
Author(s)
Mitsuru Shindo, Takashi Yoshikawa, Kentaro Yaji
Total Pages
48
Publisher
Synthesis of 1,3-Dienes by Cycloaddition and Electrocyclic Reactions