2009 Fiscal Year Annual Research Report
インプラント治療に対する新規の免疫学的観点における分子基盤的研究とその臨床応用
Project/Area Number |
08J04466
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
柳川 三千代 (瀧井 三千代) Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | インプラント / カテプシン / 阻害剤 / 歯周病 |
Research Abstract |
本研究は、免疫学的および分子生物学的手法を応用して、ヒト患者さんでのインプラント埋入後におけるインプラントの定着、炎症性反応による脱離、炎症による骨吸収の解析を最終目標とし、その基盤となる基礎的研究を行うものである。本年度において、我々は、カテプシンE欠損マクロファージ細胞表面において、chemokine receptor(CCR)-2やN-formyl peptide rcceptors(FPRs)の発現が低下していることを明らかにした。さらにカテプシンE欠損マクロファージでは、MCP-1やN-formyl-methionyl-leucyl-phenylalanineに対する遊走能の低下が認められた。さらに、野生型マクロファージに比較し、接着能の低下が見られ、この原因として、細胞表面のインテグリンβ1、β2の発現の低下が認められた。しかし、カテプシンE欠損による免疫能の低下については、そのメカニズムついてはわかっていなかった。しかし、本年度の研究成果により、カテプシンE欠損がオートファージ分解系の低下を引き起こし、その結果細胞内のミトコンドリア機能低下を引き起こし、細胞の機能低下を引き起こすのではないかということを突き止め、現在学術雑誌に投稿中である。 現在、カテプシンE欠損マウス口腔内にインプラントを埋入し、インプラントの維持、およびインプラント周囲組織における反応の組織学的および分子生物学的解析を野生型マウスと比較することで行っているところである。また同時に、インプラント周囲組織を2次元電気泳動で展開、スポット解析を行い、差が認められる分子の解析および、その原因解明を行っており、いくつかの興味深い知見を得ている。なお、これらの研究成果に対して、国内学会にて発表する準備を行っている。
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Research Products
(1 results)