2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性疾患を引き起こすタンパク質凝集体形成と神経細胞死機構の時空間的解析
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08J04474
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北村 朗 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 特別研究員(PD) (10580152)
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Keywords | タンパク質凝集体 / 筋萎縮性側索硬化症 / タンパク質品質管理機構 / 蛍光相関分光法 / 分光イメージング手法 / プロテアソーム / ユビキチン / SOD1 |
Research Abstract |
神経変性疾患に分類されている筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Screlosis;ALS)では,原因遺伝子の約20%をSuperoxide dismutase 1(SOD1)が占めており,このSOD1タンパク質に変異が入ると凝集体を形成することが知られている.この変異SOD1タンパク質が新たな機能を獲得すること(Gain-of-function)により,運動神経を死に至らしめると考えられている.神経変性疾患の原因が神経細胞における変異タンパク質の機能獲得と深く関わっていることは示唆されているが,実際の神経細胞の中で変異タンパク質がどのように機能獲得するのかについては明らかではない.これらの変異タンパク質が,細胞内のどのような場所でどのような構造にあるとき,細胞毒性を持つのか.そして細胞死に至るのか.この関係を生細胞分光イメージングの系を駆使することにより明らかにすることを目的として研究を行った.本年度は,適切なSOD1タンパク質をラベルする蛍光タンパク質の選定を行い,蛍光相関分光法(FCS)を用いて変異型SOD1タンパク質の凝集体形成と脱凝集過程を解析したところ,変異型SOD1タンパク質はプロテアソームの活性が低下すると凝集し,活性が回復するとオリゴマーを介して分解されることが示唆された.さらに,変異型SOD1タンパク質はユビキチン・プロテアソーム系で分解されることが従来の生化学的手法により示されていたことから,変異型SOD1タンパク質のポリユビキチン化を生細胞内で解析するため,蛍光相互相関分光法(FCCS)を用いて検出する系の確立を行った.生細胞の解析の前提として細胞破砕液中でFCCS解析したところ,変異型SOD1タンパク質のポリユビキチン化を同定することができた.
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Research Products
(9 results)