2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞形態形成ネットワークとその破綻をモニターするチェックポイント機構
Project/Area Number |
08J04479
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
五島 徹也 Hiroshima University, 大学院・先端物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 細胞周期 / 細胞極性 / 細胞分離 / チェックポイント |
Research Abstract |
私は、分裂酵母を用いて、細胞周期と細胞形態形成の連携制御機構の解明を目指している。進化上保存された分子によって構成される細胞形態形成ネットワーク(MOR)は細胞分離と細胞極性制御に重要であり、MOR変異による極性異常はWee1依存的G2期遅延を誘導することがわかっている。しかし、その詳細な制御機構は不明である。MORネットワークによる細胞分離と細胞極性制御機構の解明を目的に、本年度は以下の解析を行った。 1)MORネットワークによる細胞分離制御機構の解明 MOR構成分子のPmo25が二つのGC kinase(Nak1,Sid1の周辺で機能することに注目し、未解析のGC kinase Ppk11を解析した結果、Ppk11は細胞分離に重要な機能を持ち、Pmo25と相互作用することを見いだした。以上の結果から、Pmo25がGC kinaseと相互作用し、MO25-GCKネットワークを形成するという知見を得た。 2)MOR変異体のWeek1依存的G2期遅延機構の解明 MOR変異の温度感受性抑圧変異体として取得したsts5変異体は球形の形態異常のまま増殖する。この原因として細胞形態チェックポイント機構の異常が考えられる。このチェックポイント機構に関連する遺伝子を網羅的に探索するため、シグナル伝達にはタンパク質リン酸化反応が重要であることから、生育に必須でないkinase破壊体とsts5変異体との二重変異体を構築し、その温度感受性や細胞形態を解析した。その結果、二重変異体が温度感受性を示す株や細胞形態が桿状になる株など多数の遺伝的関連性のある遺伝子を同定することができた。Sts5の出芽酵母ホモログSsd1はRNA結合タンパク質であることから、Sts5もRNA結合タンパク質として、広範なタンパク質と関連していることが示唆された。
|
Research Products
(2 results)