2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞形態形成ネットワークとその破綻をモニターするチェックポイント機構
Project/Area Number |
08J04479
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
五島 徹也 Hiroshima University, 大学院・先端物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 細胞周期 / 細胞極性 / 細胞分離 / チェックポイント |
Research Abstract |
私は、真核単細胞モデル生物・分裂酵母を用いて、細胞形態形成と細胞周期との連携制御機構の解明を目指している。進化上高度に保存されたタンパク質MO25/Pmo25、GCK/Nak1、Furry/Mor2、NDR/Orb6から形成される分裂酵母の細胞形態形成ネットワーク(Morphogenesis Orb6 network/MOR)は細胞極性制御と細胞分離に重要であり、MOR変異による極性異常はWee1依存的G2期遅延を誘導ずる。しかし、その詳細な制御機構は不明である。本研究ではMORネットワークによる細胞分離と細胞極性制御機構の解明を目的に、本年度は以下の解析を行った。 1)MORネットワークによる細胞分離制御機構の解明 昨年度の解析の結果、機能未解析のGC kinase Ppk11を解析した結果、Ppk11はPmo25と物理的な相互作用があり、細胞分離に重要な機能を持つことを見出した。本年度はPpk11のkinase dead変異体やC末端切断変異体を構築し、細胞分離におけるPpk11の機能解明を行った。その結果、Ppk11が機能する細胞分離制御機構には1)Ppk11自身のキナーゼ活性、2)隔壁形成部位への局在、3)Pmo25との相互作用が重要であることが示された。 2)MORネットワークの破綻をモニターするチェックポイント機構の解明 MOR変異の温度感受性抑圧変異体としてsts5変異体を取得している。昨年度の解析の結果、Sts5はRNA結合たんぱく質として多数のキナーゼと遺伝的関係性があることがわかった。Sts5とMORネットワークとの関係性を解析するために、Yeast 2-hybrid法を用い、Sts5とMOR構成分子との物理的相互作用を調べた。その結果、Sts5はOrb6との結合を示した。最近、Sts5の出芽酵母ホモログSsd1が、RAM(Regulation of Ace2p transcription factor and polarized Morphogenesis)の構成分子であるNDR/Cbk1によりリン酸化され、負に制御されていることが報告された(Jaclyn et al., 2009)。このことから分裂酵母においてもSts5がOrb6により負に制御されていることが予想される。また、Δwee1 sts5 2重変異体は高温で合成致死性を示すことから、Wee1とSts5は高温での生育に協調的に機能していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)