2008 Fiscal Year Annual Research Report
原子核における新たな存在様式:α凝縮とダイニュートロン凝縮の探索
Project/Area Number |
08J04495
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菊地 右馬 Hokkaido University, 大学院・理学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 不安定核 / αクラスター構造 / クーロン分解反応 / α凝縮 / 散乱状態 |
Research Abstract |
今年度は^<12>Cの基底状態および励起状態の構造計算を3αを仮定した模型計算によって行い、また、反応計算として2_1^+状態からのE2遷移強度や基底状態からのEO遷移強度などの電磁気遷移反応の計算を行い、いくつかの研究会で発表した。特に電磁気反応計算では、α凝縮状態として注目される0_2^+状態と2_1^+状態の間の遷移確率を計算することから、α凝縮状態が、3α分解反応とどのように関連しているかを議論した。このような計算は天体核反応における^<12>C合成と深く関係しており、計算している電磁気遷移強度を正確に見積もることは、宇宙の元素合成を理解する上で重要であると考えられる。 一方で、それらの解析から、分解反応におけるクーロン力の振る舞いが数値計算での不安定性をもたらすことが分かり、それらクーロン力の効果を詳細に見ていく必要が出てきた。それに伴って、今年度後半はクーロン力の効果を見るための簡単な例として、3体系においてその中の2体にしかクーロン力が働かない^6Liの散乱を調べることとした。この研究によって、クーロン系における計算精度を確認し、結果に関しては今年度の物理学会において発表した。 また、^<12>Cの研究において部分系の構造を調べるために用いる予定である計算手法に関連して、我々がこれまでに^6Heで議論してきた結果に関しても、国際会議等を含め、いくつかの研究会で成果発表を行い、手法の有効性について議論してきた。
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Research Products
(13 results)