2008 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンド電極のバイオプロセスにおけるIn situ計測への応用
Project/Area Number |
08J04521
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渡辺 剛志 Keio University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | グルコースセンサー / 電気化学センサー / ダイヤモンド電極 / 選択性 / バイオプロセス / 拡散 |
Research Abstract |
近年、微生物や酵素の機能を工学に利用したバイオプロセスが、環境への適合性や効率性の点から注目を集めている。例として、バイオマスと呼ばれるとうもろこしなどの原料から、石油の代替エネルギーとして注目されるバイオエタノールの製造かおる。そのバイオプロセスの効率性を高めるために、バイオプロセス中での温度や反応物濃度など様々なパラメータのin situによるオンライン計測と制御が重要となる。グルコースはバイオプロセスにおいて最も基本的な炭素源であり、その濃度を制御することはきわめて重要である。バイオプロセス中でのグルコース濃度のin situ計測を実現するためには、センサー自体がオートクレーブなどの滅菌処理に耐性を持っている必要がある。従来のグルコースセンサーのほとんど全てが酵素を利用しており、滅菌処理の厳しい環境への耐性を持ち合わせていないために、プロセス中のin situでのオンライン計測は実現不可能であった。これを実現するには、酵素を用いない完全固体型のセンサーの作製が求められる。我々は、化学的に安定なダイヤモンド薄膜とグルコース酸化に対し触媒活性の高い金属とを複合した電極を作製し、グルコースセンサーとしての性能を評価した。グルコースセンサーは、糖尿病患者用の血糖値センサーとしてのニーズが高いため、まず血糖値センサーの系を用いて、グルコースへの選択性を評価した。電極はフォトリソグラフィーによりニッケルの微小電極をホウ素ドープダイヤモンド薄膜上に規則的に配列させて作製した。この電極は、グルコースとその他の物質とが異なる拡散形態をとるようにデザインされており、この拡散形態の違いを選択性に利用した。その結果、妨害物質であるアスコルビン酸や尿酸の濃度に関わらず、グルコースを定量することができ、高い選択性を実現することができた。
|
Research Products
(4 results)