2009 Fiscal Year Annual Research Report
波状前縁による翼のダイナミックストール制御機構の解明とその応用
Project/Area Number |
08J04526
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
新井 洋 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 波状前縁 / 失速抑制 / 翼性能 / CFD / LES |
Research Abstract |
本研究では,前縁に波状形状を有した翼の研究を行うことで,波状前縁による失速抑制機構・ダイナミックストール抑制機構の解明,および波状前縁の工学的応用を目的としている.既往の研究より,波状前縁を用いることで,高い迎角における失速が抑制されることが明らかとなっている.平成21年度は,波状前縁周りの流れ場を明らかにすることで,流れ場と失速抑制の関係を解明する事を目的として研究を行った. 波状前縁を用いた矩形翼周りの流れ場を明らかにするために,乱流場を対象とした数値解析を行った.数値解析を行うことで,対象となる翼形状周りの流れ場,および翼形状に作用する流体力を明らかにすることが可能である.解析によって得られた流体力は,既往の実験結果と良好な一致を示し,解析が高い精度で実行可能であることを示した.特に,本研究で対象となる流体のはく離を伴う高い迎角の解析においても,解析結果と実験結果は定性的な一致を示し,本解析が高い迎角の解析にも有効であることを示した. 波状前縁を用いた翼形状周りの解析を行うことにより,波状前縁の周りの流れ場と失速抑制の関係を明らかにした.波状前縁の周りに形成される流れ場は,波状前縁の形状によって異なっており,波状前縁の形状と失速抑制の関係についても検討を行った.また,矩形翼に用いた波状前縁の作る流れ場は,矩形翼の作る三次元的な流れ場の影響を強く受ける事を示した. これらの成果は,最適な波状前縁の形状および配置位置は,翼形状にも依存していることを示唆しており,波状前縁を工学的に応用する際に有益な知見である.
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Research Products
(4 results)