2010 Fiscal Year Annual Research Report
波状前縁による翼のダイナミックストール制御機構の解明とその応用
Project/Area Number |
08J04526
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
新井 洋 広島大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 波状前縁 / 失速制御 / 翼性能 / CFD / LES |
Research Abstract |
本研究では,前縁に波状形状を有した翼の研究を行うことで,波状前縁による失速およびダイナミックストールの制御機構を解明し,それを工学的に応用する事を目的としている。昨年度までの研究によって,波状前縁を翼に用いることで高迎角における揚力の減少が抑制される事が明らかとなっている。当該年度は翼まわりの数値解析および模型実験を行い,波状前縁による失速制御のメカニズムを明らかにした。また,実用化へ向けた考察を行い,これまでの研究成果の総括を行った。 波状前縁まわりの流れを対象とした数値解析および可視化実験を行うことで,翼まわりの流れの様子を明らかにし,流れと流体力の関係について考察を行った。数値解析コードを改善する事で,昨年度までに得られている成果よりも精度が向上し,より詳細な流れの様子を検討する事が可能となった。波状前縁を用いることにより,高迎角での前縁からのはく離が抑制され,高い揚力が獲得できる事が明らかとなった。更に,迎角が動的に変化する状態を対象として模型実験を行い,波状前縁を用いることによりダイナミックストールも制御可能であることも示した。アスペクト比,翼型の異なる翼に対する検討も行い,波状前縁がどのような翼に最適であるかを明らかにした。 これらの成果より,波状前縁の最適な配置位置が明らかとなった。様々な翼に波状前縁を用いる事の有用性が明らかとなり,波状前縁を工学的に応用する為の有益な知見が得られた。
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Research Products
(6 results)