2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規n型半導体材料としてフッ素原子を有するπ共役オリゴマーの合成・機能評価
Project/Area Number |
08J04545
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
二谷 真司 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | π共役オリゴマー / n型半導体材料 / 電界効果トランジスタ / 電子陰性オリゴマー / 構造有機化学 |
Research Abstract |
新規なn型有機半導体材料として、芳香族化合物を電子求引性基で架橋したπ共役オリゴマーを合成した。母骨格となる芳香族化合物には、チオフェン、ベンゼン、より電子受容性の高いチアゾール及びこれらの混合系を用いた。さらに、電子求引性基としてフルオロアルキル基のみならずカルボニル基も導入した。得られた化合物については、X線結晶構造解析による分子の平面性と結晶中での分子配列の評価、サイクリックボルタンメトリー法による酸化還元電位測定、電子スペクトル・蛍光スペクトル測定による共役拡張性の評価を行った結果、優れた平面性・分子配列・電子親和性・共役拡張性が明らかとなった。さらに、スピンコート法を用いて、合成した化合物を有機半導体層(活性層)とする素戸を作製して、電界効果トランジスタ(FET)特性を評価を行ったところ、期待通りの良好なn型FET特性を示した。カルボニル基で架橋したビチアゾールを有する化合物については、配向性の高い有機薄膜を形成し、n型としては珍しい大気安定性を示した。 以上、本研究から得られた結果より、電子親和性や分子配向などの基礎物性とFET特性の相関関係が明らかとなった。特に、分子中にカルボニル基を有する化合物については優れた性能が得られており,今後の分子設計指針に対する指標となる。n型有機半導体の開発は未だ発展途上であり、今回得られた研究データは有機半導体材料の実用化に向けた大きな前進となりえる。
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Research Products
(5 results)