2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J04591
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
錦織 雅樹 National Institute of Agrobiological Sciences, 植物科学研究領域, 特別研究員(PD)
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Keywords | プラス鎖RNAウイルス / RNA複製複合体 / 宿主因子 / 膜タンパク質 / 相互作用解析 |
Research Abstract |
トマトモザイクウイルス(ToMV)のゲノムRNAの複製には,ウイルスがコードする複製タンパク質に加え,宿主のTOM1,TOM2A,ARL8/ARLA1タンパク質が必要であるが,これらがどのように相互作用して,ToMV RNA複製複合体を形成するかは分かっていない.これまでに,TOM1,TOM2Aは複数回膜貫通タンパク質であること,全長TOM2AはTOM1および自身と相互作用することが報告されている.しかしながら,本研究より,TOM2Aは植物細胞内でN末端より70〜80アミノ酸残基の位置で切断を受けること,また,N末端側の断片およびC末端側の断片(TOM2A-N,TOM2A-C)のいずれもが植物細胞内に存在することが判明した.また,細胞分画法による解析からARL8も大多数が膜に結合していることを見出した.そこで,次年度に計画されていた複製関連因子間の相互作用解析を先行させ,これら因子間の相互作用の有無を出芽酵母のSplit-ubiquitin systemにより検討した.解析の結果,(1)TOM1とTOM2A-N,(2)TOM2A-NとTOM2A-C,(3)ARL8とTOM1,(4)ARL8とTOM2A-N,(5)ARL8とTOM2A-Cの相互作用がみられた.以上より,ToMV RNA複製複合体は,ウイルスおよび宿主因子間の複雑な相互作用を経て,形成されることが示唆された.
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Research Products
(2 results)