2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J04591
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
錦織 雅樹 National Institute of Agrobiological Sciences, 植物科学研究領域, 特別研究員(PD)
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Keywords | プラス鎖RNAウイルス / RNA複製合体 / 複製タンパク質 / 宿主因子 / 膜タンパク質 / タンパク質間相互作用 |
Research Abstract |
トマトモザイクウイルス(ToMV)をはじめとするプラス鎖RNAウイルスは宿主細胞のオルガネラ膜上にRNA複製複合体を形成する。これまでにToMV増殖に関与する宿主タンパク質として、7回膜貫通タンパク質であるTOM1、および、低分子量GTPaseの一種であるARL8が同定されているが、ToMV RNA複製複合体形成においてどのように機能するかは不明であった。申請者は、ToMVの非宿主である出芽酵母において、複製関連因子を様々な組み合わせで発現させ、複製タンパク質の性状および活性を解析することにより、宿主因子の機能解析を試みた。従来、出芽酵母において、全長のToMV 130K/180K複製タンパク質を発現させることは困難であったが、コドン置換により効率よく発現させることに成功した。さらに、複製タンパク質とToM1を共発現させた場合、膜結合型の複製タンパク質の割合が上昇し、高分子量の複製タンパク質複合体が膜上において形成された。さらに、ARL8を共発現させると、複製タンパク質の5'RNAキャッピング活性が活性化した。前年度までに申請者はTOM1とARL8はいずれも複製タンパク質中のキャッピングドメインとは異なった領域(ヘリケース領域)と相互作用することを明らかにしている。さらに最近、ARL8とヘリケース領域との相互作用は、ヘリケース領域を高発現させた場合のみ検出されることが明らかになった。従って、複製タンパク質は宿主因子との逐次的な相互作用を経て、全体的なコンフォメーションを変化させ、膜上で多量体化して活性化すると考えられた。
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Research Products
(2 results)