2008 Fiscal Year Annual Research Report
14-3-3タンパク質の機能解明を目的としたケミカルバイオロジー
Project/Area Number |
08J04616
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
樋口 雄介 Osaka University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | フシコクシン / コチレニン / 14-3-3タンパク質 / ケミカルバイオロジー / 抗がん剤 |
Research Abstract |
ジテルペン配糖体フシコクシン(以下FC)を14-3-3タンパク質の機能解明・制御するためのプローブとして用いるには、目的とする機能を引き出すため特定の位置の骨格変換や官能基の導入を行わなければならない。 本年度は、14-3-3タンパク質とリン酸化タンパク質の会合について特に影響を与えると考えられるFC3位への官能基の導入を試みた。具体的には、FCを出発原料として、3位に水酸基を導入したコチレノールを合成することに成功した。同様の手法を用いて、配糖体においてもコチレニン(以下CN)型骨格への変換方法を確立した。CNは抗がん剤のリード化合物として期待される天然物であるが、現在菌体からの生産が出来ずその供給が絶たれている。このような背景からFCからCNへの変換はCNの抗がん活性に関する研究を進めるにあたり非常に重要である。さらに、この水酸基を足掛かりにして、14-3-3蛋白質とリン酸化タンパク質の相互作用を阻害する分子や、安定化する分子を設計、合成することが出来るようになった。 また、FCの13位を立体選択的にアルキル化する手法を開発した。これを応用することで、14-3-3蛋白質とある特定の配列を持つリン酸化タンパク質のみを選択的に安定化できる分子を創出できる可能性が見出された。 本年度達成されたFC誘導体合成方法は今後リバースケミカルバイオロジーへと研究を展開するためのプローブを合成する上で必要不可欠なものである。従って、これらは今後の研究の核とも言うべき技術であり、これを達成できた意義は大きい。
|
Research Products
(4 results)
-
[Journal Article] Identification and functional analysis of brassicicene C biosynthetic gene cluster in Alternaria brassicicola2009
Author(s)
Minami, Atsushi, Tajima, Naoto, Higuchi, Yusuke, Toyomasu, Tomonobu, Sassa, Takeshi, Kato, Nobuo, Dairi, Tohru
-
Journal Title
Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 19(3)
Pages: 870-874
Peer Reviewed
-
-
-