2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J04657
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
戸井田 さやか Tokyo Medical and Dental University, 生命情報科学教育部, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ドラッグデリバリーシステム / 核酸キャリア / 高分子キャリア / 多糖 / サイクロアミロース |
Research Abstract |
本研究は大環状多糖であるサイクロアミロース(CA)によるドラッグキャリアの開発を目的とする。CAは直鎖アミロースから生成されるα-1,4グルコースである。らせん構造を形成し環状内部への物質包接能を有すること、生分解性を示すことから、CAのバイオマテリアルとしての応用が期待できる。本研究ではこれまでに、機能化CA(カチオン性CA,catCA)がプラスミドDNAキャリアとして機能することを報告した。そこで本年度は、近年核酸医薬としての応用が注目されるsiRNAに着目し、機能化cAによるsiRNAデリバリーシステムの開発を目指した。カチオン性基としてスペルミンを修飾したCA(catCA)および、新たにcatCAに疎水基としてコレステリル基を導入した機能化CA(CH-catCA)を用いた。catCAおよびCH-catCAとも、21塩基対のsiRNAと相互作用し、約20-40nmの正電荷を有するナノ複合体粒子を形成した。この複合体をルシフェラーゼを恒常発現するマウス頭頸部癌細胞(SCC7-GL3)に導入し、複合体導入によるRNA干渉(RNAi)効果を検討した。その結果、catCAまたはCH-catCA/siGL3(ルシフェラーゼ発現抑制配列)複合体の導入24時間後において大きな毒性は示さず、かつ導入したsiRNAによるルシフェラーゼの発現抑制がみられた(siGL3終濃度:50nM)。また、コレステリル基を導入しナノゲル化させた(CH-catCA)はcatCAに比べて有意に発現抑制されることが分かった。siRNAがCH-catCAナノゲルのマトリックス内に安定に複合化され、siRNAの酵素分解からの保護やキャリアからのリリース挙動に効果を及ぼしたと考えられる。さらに、機能化CAはsiRNAに限らず種々の機能性RNAデリバリーにも適用可能であることが示唆され、今後の応用展開が期待できる。
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Research Products
(10 results)