2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J04662
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
梶原 健太郎 Hiroshima University, 大学院・生物圏科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | セラミド |
Research Abstract |
セラミドは小胞体で合成された後、ゴルジ体へと輸送される(このセラミド輸送は輸送小胞を介する小胞輸送と、これを介さない非小胞輸送の2つの経路から構成されている。しかし小胞体からゴルジ体へのセラミド輸送の詳細な機構は不明のままである。本研究では、細胞内の脂質恒常性が異常になっている変異株を用いて、セラミド輸送の解析をおこない、以下の結果を得ていた。1)セラミド小胞輸送にオキシステロール結合タンパク質Oshが関与する。2)このセラミド小胞輸送はグリコシルフォスファチジルイノシトール(GPI)アンカータンパク質との共輸送ではない。本年度は、これらの結果を踏まえて、小胞体からのセラミド輸送におけるOshタンパク質のさらなる機能解析をおこなった。 (研究1)Oshタンパク質が関与するセラミド輸送とタンパク質輸送の関連を解析した。その結果、Osh破壊株では分泌タンパク質であるカルボキシペプチダーゼ(CPY)の細胞内輸送に異常は認められなかった。これに対して、脂質マイクロドメインに局在するトリプトファントランスポーター(Tat2-mRFP)の小胞体からの輸送に損傷が生じていた。よって、Oshタンパク質が関与するセラミド小胞輸送は脂質マイクロドメインに局在するタンパク質との共輸送であると考えられた。 (研究2)タンパク質輸送損傷時のOshタンパク質の関与を解析した。その結果、OSH遺伝子を破壊することによって、小胞体-ゴルジ体間を循環するタンパク質GFP-Rer1の輸送の損傷が部分的に抑圧された。よって、Oshタンパク質はTat2-mRFP以外のタンパク質の輸送に対しては負に制御している可能性が示唆された。 (総括)以上の結果から、小胞体からのセラミドの小胞輸送は特定のタンパク質との共輸送であり、両者間に相互制御する関係が存在すると考えられた。
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[Journal Article] Functional Interactions between Sphingolipids and Sterols in Biological Membranes Regulating Cell Physiology2009
Author(s)
Xueli Guan, Cleiton M.Souza, Harald Pichler, Gisele Dewhurst, Olivier Schaad, Kentaro Kajiwara, Hirotomo Wakabayashi, Tanya Ivanova, Guillaume A.Castillon, Manuele Piccolis, Fumiyoshi Abe, Robbie Loewith, Kouichi Funato, Markus R.Wenk, Howard Riezman
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Journal Title
Molecular Biology of the Cell 20
Pages: 2083-2095
Peer Reviewed
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