2008 Fiscal Year Annual Research Report
地下水流が停滞して劣化した沿岸干潟の環境再生技術の確立
Project/Area Number |
08J04714
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中下 慎也 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 人工干潟 / 地下水流れ / 河道断面形状 / 底質環境 / 水質環境 / 底生生物 / 実証実験 |
Research Abstract |
1.干潟地盤内の地下水流れの解明…干潟地盤内の水質変動機構を解明するために,新規観測井を敷設し,地下水位,地下水質(水温,塩分)の連続測定を行った.地下水位・水質の連続測定結果と室内実験により,干潟地盤内における塩分の残留・流出現象を明らかにした.この現象は従来の研究では明らかにされていないため,今後は地下水浸透モデルに組み込み,干潟地盤内の水質変動機構の把握を行う必要がある. 2.二枚貝の棲息環境の把握…対象干潟に優先して棲息する二枚貝(イソシジミ)を用いた現地実験結果より,40cmを超える土砂堆積を受けた場合においても,イソシジミが2ヶ月生存可能であることが明らかとなった.イソシジミの干潟地盤内の移動を制限した場合には,大潮最干時の地下水面を挟んで移動可能な状態での生存率は100%であった.これらの事実は表層を通じての摂餌が制限された場合においてもイソシジミの棲息に影響が無いことを示しており,自然擾乱を受け難い地中において二枚貝の生産が可能であることが示された. 3.実証実験…これまでの研究によって,複断面形状を有する河道に形成された干潟地盤内に地下水流が発生し,二枚貝が良好に生存することが明らかとなった.平成21年冬には現地干潟に実験区を施工し,河道断面形状の違いによる地下水環境や干潟環境の変化について実証実験が行われる.今年度は,施工前の地下水環境と干潟環境を評価するために現地調査が行われた.
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Research Products
(3 results)