2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J04718
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
谷口 浩二 慶應義塾大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | VEGF / チロシンキナーゼ / ERK / 血管 / ホスフォイノシタイド / ノックアトマス / 負の制御 / フォスフォリパーゼC |
Research Abstract |
Sprouty/Spredファミリー分子は、増殖因子やサイトカインによるERK経路活性化を抑制する調節因子である。Sprouty/Spredファミリーの生理的な役割を明らかにするためにノックアウト(KO)マウスを作製し、解析を行ってきた。これまでにSpred1/2DKOマウスがVEGF-C/VEGFR-3シグナルに異常を来し、リンパ管の異常を呈することを報告した。本年度はSprouty2/Sprouty4 DKOマウスの解析を継続し、DKOマウスは心血管系の異常が見られることを確認した。これらの結果よりSproutyは血管新生、VEGF-A/VEGFR-2シグナルの調節因子として生理的に重要であることを明らかにした。またSpredに関しては、Legius syndromeがSprouty/Spredファミリーの1つであるSPRED1に変異を持ち、神経線維腫症1型に類似した症状を示す症候群であることを見いだしている。本年度はベルギーとの共同研究において、患者で発見された様々な種類のSPRED1の機能欠損変異を作製し、機能を検討した。増殖因子によるERKの活性を指標とするレポーターアッセイやPC12分化のアッセイなどの実験を行い、その結果14種類の新たな機能欠失変異を同定した。さらにSpred/Sproutyファミリーの発がんに対する寄与を検討するためにアメリカ合衆国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のMichael Karin教授の研究室において共同研究をスタートしている。大腸癌、肝臓癌におけるSprouty/Spredファミリーの働きをin vivoで明らかにするために、大腸と肝臓にそれぞれ特異的なプロモーターを使用し、SproutyやSpredを活性化させたトランスジェニックマウスを作製した。
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Research Products
(1 results)