2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J04718
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷口 浩二 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | VEGF / チロシンキナーゼ / ERK / 血管 / ホスフォイノシタイド / ノックアウトマウス / 負の制御 / フォスフォリパーゼC |
Research Abstract |
Sprouty/Spredファミリー分子は、増殖因子やサイトカインによるERK経路活性化を抑制する調節因子である。哺乳類ではSproutyは4種類、Spredは3種類報告されている。我々はSprouty/Spredファミリーの生理的な役割を明らかにするためにSprouty/Spredファミリーのノックアウト(KO)マウスを作製し、解析を行ってきた。Sprouty4欠損マウスにおいては血管新生に重要なVEGF-A/VEGFR-2シグナルが過剰に入り、血管密度の増加、血管新生の亢進を認めた。また腫瘍血管の数や虚血モデルにおける新生血管の数もSrouty4欠損マウスで多く、Sprouty4が生理的にも血管形成を負に制御していることを明らかにした。 Sprouty4はVEGF-A(血管内皮増殖因子)によるERK活性化を抑制するが、VEGF-CによるERK活性化は抑制しない。今回の研究ではSprouty4がMARCKS及びPKDの活性化やPKC依存性のNF_κBの活性化といった、PKCの下流と考えられるシグナル群を抑制することがわかった。更にSprouty4はカルシウム流動やフォスラアチジルイノシトール2リン酸(PIP_2)、イノシトール3リン酸(IP_3)といった、PKCより上流のシグナル群も抑制することがわかった。こうした抑制効果はSprouty4のカルボキシル末端にあるシステインリッチなドメインに依存しており、FGFによるERK活性化抑制に必須なアミノ末端の領域を必要としないことがわかった。Sprouty4の過剰発現や遺伝子欠損によってPIP_2の分解酵素であるフォスフォリパーゼC(PLC)_γ-1の活性化は影響を受けなかった。またSprouty4はVEGF-AだけでなくGタンパク共有受容体に活性化されるPLCβ/εを介したリゾフォスファチジン酸(LPA)によるPIP_2の加水分解をも抑制した。これらのことから、SproutyはさまざまなタイプのPLC依存性のシグナルを抑制することがわかった。
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Research Products
(1 results)