2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J04745
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
丹羽 佳人 Kyoto University, 大学院・人間・環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | メトロロジー / 光計測 / レーザー干渉計 / 位置天文学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、レーザー干渉計を用いて、位置天文観測プロジェクト(JASMINE)で使用する1mスケールの望遠鏡のジオメトリーの変動(2枚の鏡の成す相対角やその間隔の変動等)を高精度(角度で10prad、長さで10pm)で長時間(数秒から数時間)、測定する装置の開発です。平成20年度の成果について報告します。本研究で開発を行うヘテロダインレーザー干渉計型の変位測定装置の特徴は、測距の際、相対的な変位量測定に関しては校正が不要なため、JASMINEのように望遠鏡の数ヵ所を複数の干渉計を用いて同時に測定する必要がある場合には有用な測距装置であると考えられます。 まず、レーザー干渉計の基礎開発項目として、次の3点が挙げられます。1.多自由度測定が可能であることの実証、2.JASMINEの要求精度で測定が可能であることの実証、3.レーザー周波数の長時間の安定化。平成20年度においては、1および2の項目の実証に取り組みました。主な研究成果を以下に挙げます。構造体にマウントされた鏡の動きを光学ベンチ上に配置された4つのヘテロダイン方式の干渉計を用いて測定する実験を行いました。既知の量だけあたえた、鏡の3自由度(Length、Yaw、Pitch)の動きに対して、JASMINEで要求される確度で、同時に分離してモニターできることが確認されました。したがって、項目1が実証されたことになります。さらに開発中のレーザー干渉計の変位センサーとしての性能評価を行った結果、1.5時間のRMS値で、20pmの測定精度があることが実測されました。本実験により、レーザー干渉計型モニターの測定精度が、小型JASMINEで要求されている測定精度(25分間のRMS値で100pm)を満たすことが確認されました。したがって項目2が実証されたことになります。今後の課題として、基礎開発項目3に取り組む予定です。
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Research Products
(7 results)