2010 Fiscal Year Annual Research Report
抑制性神経伝達に関わる受容体の機能的構築に関する研究
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08J04754
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤井 誠 九州大学, 大学院・歯学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | PRIP / GABA_A受容体 / 抑制性神経伝達 / インスリン / 細胞内小胞輸送 / 結合タンパク質 |
Research Abstract |
脳、中枢神経系において、抑制性神経伝達の主要な部分を担うGABA_A受容体の細胞膜上での量的変化が、抑制性神経伝達の可塑性(ひいては脳、精神機能)を調節する上で非常に重要であると考えられている。我々は、現在までに、この動的平衡の制御にPRIP分子を介した受容体、リン酸化・脱リン酸化酵素、アダプター分子等の分子複合体形成が関与している事を明らかにしてきた。しかしながら、輸送に関与するモータータンパク質は未だに不明である等、その全貌の解明にはほど遠い状況である。 そこで、本年度は、このPRIP分子を中心とした分子複合体形成を、より詳細かつ網羅的に解析するために以下の研究を行った。 1.動物細胞においてGST-PRIPを高発現するプラスミドコンストラクトを作成し、様々な条件検討の結果、PRIPの大量精製系を構築した。 これにより、翻訳後修飾を反映した全長PRIPを大量に精製することが可能となった。 2.1)で得られた精製GST-PRIPとラット脳ホモジネートを用いて結合タンパク質の探索を行った結果、数種類の結合タンパク質候補を発見した。また、HEK293細胞に発現させたGST-PRIPを直接プルダウンする事により、数種類の内在性結合タンパク質候補を発見した。 これらの結果は、前述した既知のタンパク質以外にも未知のタンパク質が、PRIPとの分子複合体形成、さらには、分子複合体形成を介したGABA_A受容体の細胞膜上での動的平衡の制御に関与している可能性を示唆している。
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Research Products
(3 results)