2008 Fiscal Year Annual Research Report
交互積層膜の3次元プロセッシングとバイオデバイスへの応用
Project/Area Number |
08J04757
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
関根 宗一郎 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 電気化学 / バイオパターニング / 導電性高分子 / AFM / シートデバイス / ハイドロゲル |
Research Abstract |
当研究室で開発した電気化学バイオリソグラフィー(ECL)技術は、酸化剤を電解生成して生体分子の接着領域を作成するものであり、常温中性の水溶液中という穏和な環境においてパターニングが可能という特長を持つ。本研究では、これらの長所を生かしつつ、精度向上や機能付加を進めている。特に今年度においては、まず、先端に電極を持つAFMプローブを作成し、形状観察能を保ったまま局所電解操作が可能なAFM-ECLシステムを構築した。得られたパターンサイズは、従来のキャピラリ電極の場合と比較して1/10以下であり、ECLによる単一細胞の局所固定がはじめて可能となった。 また、ECLは乾電池一本だけで駆動できるも技術であるが、水溶液中で基板近傍に微細な電極を保持するという構成上振動などの外乱に弱く、可搬性に難があった。そこで、ハイドロゲルを電解質とした一体型デバイスの検討を行った。これまでに、酸化剤に対して安定、電気化学的に安定、表面に対して不活性などの点から各種ハイドロゲル素材を評価し、アガロースゲルを採用することとした。続いて、PETシートを利用したフレキシブル電極と酸化剤の拡散領域を制限するためのステンシルとゲルを積層し、シート型電気化学デバイスの試作を行った。表面の酸化はできたがステンシルと基板の接触によりブロッキング剤が剥離するため、ステンシルの表面処理によるダメージの低減を評価した。 さらに、ECLによる導電性高分子パターニングを検討した。これまでブロッキング剤として用いてきたヘパリンやアルブミンだけでなく、電子デバイス分野が対象となることで幅広い応用が期待できる。神経刺激電極や有機ELなどに利用されているPEDOTを対象とし、生成した酸化剤による過酸化を評価した。ECL処理と抵抗値の測定を同時に行えるチップを作成し、これを利用して光学観察では困難な過酸化の観察を可能とした。
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Research Products
(10 results)