2009 Fiscal Year Annual Research Report
交互積層膜の3次元プロセッシングとバイオデバイスへの応用
Project/Area Number |
08J04757
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
関根 宗一郎 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 電気化学 / バイオパターニング / 導電性高分子 / マイクロスタンプ / ハイドロゲル / イオン輸送 |
Research Abstract |
当研究室で開発した電気化学バイオリソグラフィー(ECL)技術は、酸化剤を電解生成して生体分子の接着領域を作成するものであり、常温中性の水溶液中という穏和な環境においてパターニングが可能という特長を持つ。本研究では、これらの長所を生かしつつ機能付加を進めている。特に今年度においては、前年度に作製したAFM-ECLシステムを利用することで、ECL処理の前後における基板表面のその場観察および単一細胞の伸展誘導が可能となった。 さらに、アガロースハイドロゲルを電解質として表面に微細な凹凸アレイを形成し、白金平板電極と積層することで外乱に強く可搬性の高い反応性マイクロスタンプを作製した。その際、個々の突起に対応した電極アレイを用いて電解操作を個別に行うことでアドレッサブルな電気化学スタンプ操作を試みた。酸化剤の拡散距離の解析結果からスタンプ形状や電極間隔を設定し、ひとつの汎用スタンプから任意のタンパク質パターンを形成することに成功した。 また、導電性高分子のひとつであるPEDOTは、過酸化されるとイオン導電性を保ったまま電子伝導性が失われることから、イオン輸送デバイスとしての研究が進められている。今年度においては、ガラス基板上に作製した平行電極対をまたいでPEDOT薄膜を形成し、微小な電位差を与えたままECL処理を行うことで、抵抗値の変化からリアルタイムに過酸化状態を観察した。実際にマイクロチャンバーを組み立て、ソースチャンバーとターゲットチャンバー間に電位差を与えることで、過酸化された領域を介してカルシウムイオンが移動すること及び拡散による漏れが無いことを確認した。
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Research Products
(10 results)