2008 Fiscal Year Annual Research Report
西アフリカ都市における若者の創出する文化と社会的紐帯に関する都市人類学研究
Project/Area Number |
08J04789
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
清水 貴夫 Nagoya University, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アフリカ都市 / ストリート / 若者文化 / 文化変容 / 人の移動と移民 |
Research Abstract |
今年度は、まず「研究実施計画」の第1点目で述べた、ワガドゥグでストリートチルドレンの保護を行うNGO、KEOOGOにおいて調査を行った(2008.7-9)。調査方法はNGOの研修生として活動を行いながら、KEOOGOの蓄積したデータの収集、整理、さらに、フィールドワーク(昼夜のパトロール)に参加し、KEOOGOの活動の把握と、ストリートチルドレンの実態に迫った。これまで「近代的」、「伝統的」枠組みから逸脱した環境にある青少年がストリートに押し出される、という説明がなされてきたが、この調査では、都市計画やイスラーム社会の変容など、「近代化」に収まらない枠組みで起こっていることが分かった。 さらに、2009年2月から3月の調査では、単独のストリートチルドレンの調査を敢行した。特に注目した点は、少年たちがなぜストリートにとどまるのか、と言うことである。これは、都市問題の分析としてとらえれば、これまで蓄積されたNGOのデータを整理することにも繋がり、一般的なストリートチルドレンの認識に一石を投じる研究になる可能性がある。そして、人類学の領域においても、こうした調査研究は少なく、都市の縮図たるストリートの研究に寄与できると考えている。 研究業績の発表については、「アフリカン・ホップカルチャー研究会」の発表会の運営、発表を行った。この研究発表会は、約25名の研究者を中心とした発表者と一般参加者延べ200名前後を集めた。
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Research Products
(4 results)