2008 Fiscal Year Annual Research Report
軸不斉グアニジン触媒による炭素-炭素多重結合のエナンチオ選択的ヘテロ官能基化反応
Project/Area Number |
08J04859
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
仲野 恵 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 軸不斉グアニジン触媒 / エナンチオ選択的 / [3+2]環化付加反応 / キラルピロリジン骨格 / 不斉有機触媒反応 / 二機能性触媒 |
Research Abstract |
申請者の所属する研究室で開発した有機強塩基触媒「軸不斉グアニジン」を用いた新たな不斉触媒反応の開発を目的とし、炭素-炭素多重結合に対するエナンチオ選択的な官能基の導入反応を検討している。本年度は、研究実施計画に基づき、軸不斉グアニジン触媒による炭素-炭素二重結合に対する窒素官能基の導入を検討した。具体的には軸不斉グアニジン触媒を用い、シッフ塩基から発生させたアゾメチンイリドとマレイン酸ジメチルによる、不斉[3+2]環化付加反応により、プロリン誘導体など、合成上有用なキラルなピロリジン骨格の合成を行った。本反応はこれまでキラルなLewis酸触媒を用いて行われており、膨大な量の報告がなされているが、有機触媒を用いた反応系は昨年報告が為されたばかりであり、その数も非常に限られている。 実際の反応の検討の結果、シッフ塩基の置換基にやや制限はあるものの、比較的少ない触媒量で高立体選択的に目的とするピロリジン骨格を得ることに成功した。また本反応では、これまでに報告されている有機触媒反応では反応の促進が困難であった活性の低いシッフ塩基を反応基質として用いることが可能となった。また、これまでグアニジンはブレンステッド塩基触媒として用いてきたが、本反応では共役酸であるグアニジニウムカチオンがブレンステッド酸触媒として機能していること予想され、グアニジンは一つの官能基で二つの機能を持つ二機能性触媒となる可能性を示すことができた。
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Research Products
(2 results)