2008 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖とシャペロンの相互作用を利用した新規細胞ストレス検出法の確立
Project/Area Number |
08J04902
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西尾 崇 Hokkaido University, 大学院・理学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 量子ドット / 糖鎖 / バイオイメージング / シヤペロン / 機能性高分子 |
Research Abstract |
本研究、「糖鎖とシャペロンの相互作用を利用した新規細胞ストレス検出法の確立」は糖鎖とシャペロン(特にストレス誘導性のもの)との相互作用に注目した全く新しい細胞ストレス検出法を確立することを目的としている。そのためのプローブとして、細胞内における糖鎖提示基材として優れ、且つ蛍光によって高感度に検出可能な半導体量子ドットを用いることを検討している。まず、申請者は糖鎖提示量子ドットを用いたストレス検出の原理の解明としてDigitonin処理細胞内におけるGlcNAc提示量子ドットの結合量とストレスタンパク質HSP70ファミリーの発現量を比較した。その結果、興味深い相関関係が見られ、これらを学会誌に報告することができた(印刷中)。さらに、上記目標を含めた量子ドットの利用可能性を探るため、より低毒性で安定な粒子表面修飾を目指し種々の検討を行った。具体的には、低毒性、高い安定性、蛍光強度の増加が見込めるZnSシェルの付加を当研究室内で確立した。合成したCdTe/ZnSコア-シェル量子ドットは脂溶性であるので、これを表面交換反応により水溶液への再分散、および糖鎖の提示にも成功している。これにより、より安定的に蛍光観察が可能となるばかりではなく、生きた細胞内でも長時間の観察が可能になると思われるため、今後は合成した糖鎖提示CdTe/ZnS量子ドットをマイクロインジェクション法などによって細胞内へと導入し、生きた状態でかけるストレスに細胞および粒子がどのような影響を受けるかを検討する予定である。また、表面修飾であるが、量子ドット表面へのポリマーの提示に関して検討を行っている。現在はカップリング反応などによるオリゴマーサイズの機能性高分子材料の量子ドット表面への付加を検討しており、これが実現すればより高機能な量子ドットプローブを開発できると考えられる。
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Research Products
(5 results)