2009 Fiscal Year Annual Research Report
Ras類縁分子Rap2の独自細胞機能に関するプロテオミクス的解析
Project/Area Number |
08J04908
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山城 義人 University of the Ryukyus, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | プロテオミクス的解析 |
Research Abstract |
所属研究室で癌遺伝子産物RaSの類縁分子Rap2がMAP4K(TNIK、MINK等)を介してJNK非依存的に細胞の形態、接着、極性、運動等を制御することを見出しており、本研究では、Rap2-MAP4KによるJNK非依存性表現型の解析とRap2-MAP4Kにより発現やリン酸化が変化したりこれらに結合する蛋白質などの関速蛋白質をプロテオミクス的手法で解析している。 すでに、マウスに移植して扁平上皮癌を形成しても殆ど転移しない低転移性株と、この親株から樹立した高転移性株のペアを見出しているが、興味深いことに後者ではRap2が発現していない。ディファレンシャル二次元電気泳動(2D-DIGE)とMALDI-TOF/MSによるPMF法で両細胞株の蛋白質発現を比較したところ、サイトケラチン8(CK8)、CK18を含む複数の蛋白質が後者で強く発現していた。CK8/18はウエスタン解析やRT-PCRでも同様の結果が得られ、免疫染色でも後者にのみCK8/18フィラメントが観察された。さらにCK8/18を前者にレトロウイルスで発現させると、後者と同様の運動能促進・基底膜浸潤能促進と形態変化を示した。このようにCK8/18が扁平上皮癌の転移・浸潤に関係する可能性を見出したので、論文投稿の予定である。 また、平行して進行中のmRNA発現プロファイル比較では、低転移株と高転移株で発現が4倍以上異なる遺伝子が250程度見出されているが、ここにもCK8,CK18が含まれていた。一方、個体レベルの解析としてRap2のコンディショナルノックアウトマウスの作成が進行中であり、表現型を精査するとともに各組織のプロテオミクス解析を行う予定である。
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Research Products
(1 results)