2009 Fiscal Year Annual Research Report
基板上に展開したモデル細部膜内部の分子スケールプロセス:STMによる研究
Project/Area Number |
08J04916
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松永 宗一郎 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / モデル細胞膜 / リン脂質 / 自己組織化 |
Research Abstract |
本研究は生体膜表面で起こる化学反応を分子スケールで追跡し、その反応メカニズムを明らかにすることを目的とする。STMを用いた生体膜のナノスケール観測は既存の研究報告例がなく、非常に先進的な研究内容であるといえる。昨年度までは、測定のためのモデル細胞膜系の構築、さらには細胞膜の主要構成物質である「脂質分子」と「膜たんぱく質」の相互作用を走査トンネル顕微鏡(scanning tunneling microscope ; STM)を用いて明らかにした。本年度はSTMの大きな特徴である電子状態の観測を生かして、親水基の異なる脂質分子をナノスケールで見分ける研究を行った。本研究で用いた脂質は中性のホスファチヂルコリンと負に帯電したホスファチヂルセリンであり、これらの混合膜を作製した後STMを用いてナノスケールで識別を行った。実際にホスファチヂルセリンが5ナノメートルほどのドメインを形成することがSTMによる観測を通じで明らかとなり、非常にインパクトの高い研究結果である。この研究は国際会議や国内会議で発表されており、国内外を問わず高い評価を受けているといえる。
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Research Products
(9 results)