2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J04941
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西岡 斉治 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 差分代数 / 関数方程式論 / パンルヴェ方程式 / 非線型q-差分方程式 / 既約性 |
Research Abstract |
関数の難易度を測る尺度として関数がみたす微分方程式の階数を用いることができる.微分方程式を何か一つ持ってきてその解を調べたとき、ある解がより小さい階数の微分方程式をみたしていれば,その解にとって元々の微分方程式は必要以上に大きい階数を持っていたとみなす.そのような解が全くないときKonigsbergerはその方程式をirreducibleと呼んだ.irreducibleな方程式をみたす関数はその方程式の階数分の難易度を持っているとみなす. この階数低下の考え方は微分を差分に置き換えても妥当する.体に微分を付け加えたものを微分体,差分を付け加えたものを差分体と呼ぶ.2階の微分方程式のirreducibilityを調べるためにdecomposable拡大と呼ばれる微分体の拡大が定義されていたが,私はこの拡大を差分化し差分方程式のirreducibilityを調べている.本年度は特別な2階差分方程式の一つであるq-差分Painleve II型方程式に対して,そのirreducibilityに関する次のような結果を得た.有理関数体上のdecomosable拡大に含まれるq-差分Painleve II型方程式の超越関数解は既知のRiccati方程式の解た帰着される. 微分においてKolchinの強正規拡大がdecomposable拡大に含まれることが知られている.Bialynicki-Birulaが差分化した強正規拡大と,私が差分化したdecomposable拡大との関係については本年度に論文として発表した.
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