2008 Fiscal Year Annual Research Report
アジュバントとデリバリーシステムを軸とした感染症に対する粘膜ワクチンの総合的研究
Project/Area Number |
08J04966
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
原國 哲也 Kagoshima University, 連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アジュバント / デリバリーシステム / ワクチン / 分子デザイン / コレラトキシン / リガンド分子 / 糖鎖 / 粘膜免疫 |
Research Abstract |
H20年度は、サブユニットワクチンに必須のアジュバントとデリバリーシステムの開発に焦点を当て、申請者独自の分子デザイン研究を推進した。特に、(1)蛋白質性アジュバント、(2)標的化(狙い撃ち)システム(LockOn System)、(3)極限環境耐性(Extreme Environmental Resistant:EER)分子(高温、高圧、低pH環境等)、(4)感染防御エピトープの挿入法(Molecular Graft Hybrid「分子接木」)開発の4つのプロジェクトに取り組むため、マラリアワクチン抗原をモデルとして機能解析を進めた。(1)及び(2)ではin vivoで標的細胞を狙い撃ちする際のAvidity向上の目的のため、複数量体を形成するCOMPを核にした新規分子の開発に成功し、アラムやIFA等の既存のアジュバントを遥かに超越するマラリア感染防御能を確認した(特許出願中)。(3)では本来易熱性蛋白質であるCTBとCOMPをある手法で特異的に融合させることで熱・酸・変性剤等に対する耐性が格段向上した。また、CTB分子内にシステイン残基を部位特異的に挿入することで沸騰水中でも崩壊しない分子構築にも成功している。これらのEER蛋白質は、将来的に食用植物等を用いた「食べるワクチン」開発にも貢献する可能性を秘めていると考えている。しかし、(4)の分子接木に関する研究は未だ突破口が見付からないまま苦戦を強いられている。さらに、(1)/(2)の実験では真菌由来のマンノース型糖鎖を利用した免疫原性向上の可能性を模索しており、現在解析を進めている。
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Research Products
(6 results)