2010 Fiscal Year Annual Research Report
チベット・シベリア地域の湖沼堆積物を用いた地球温暖化期における高精度環境変遷解析
Project/Area Number |
08J04967
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邊 隆広 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 古気候・環境変動 / 同位体 / 年代測定 / 地球化学 / チベット / シベリア / 湖沼堆積物 / 有機物 |
Research Abstract |
チベット高原プマユムツォ湖において湖底柱状堆積物、プマユムツォ湖の大島において陸成堆積物、および湖周辺域において河川・湿地表層堆積物を採取した。それぞれの試料において放射性炭素年代測定を行い、過去1万2千間前から現在までの連続的な環境変動の復元を可能にした。 また、過去における降水量変動を復元するため、バイカル湖(ロシア)、フブスグル湖(モンゴル)およびプマユムツォ湖(チベット)から採取した湖底柱状堆積物の粒度組成分析および粘土鉱物組成分析を行った。バイカル湖およびフブスグル湖においては降水による粗粒物質の供給量変動、プマユムツォ湖においては湖水面(湖の表面積および水深)の変動を復元することに成功した。大陸の内部における連続的なモンスーンの変動の復元例は未だ少なく、特にチベット高原南東部においては、連続的かつ過去1万年を超える環境変動に関するデータはこれまでにほとんど得られていない。本研究によりチベット高原南東部における環境変動の高時間解像度データ(90-150年スケールでの環境変動の記録)が得られた。シベリア、チベット両地域の完新世における古環境変動は、他の地域(中国南東部、インド洋等)から復元されている日射量変動およびアジアモンスーンの変動とよく一致する結果が得られた。しかしながら、完新世以前においてはチベット地域と他地域との環境変動に差異が見られた。本研究成果は気候環境変動メカニズムの解明につながるデータセットとして極めて重要な位置を占めるものである。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Climate control of sulfate influx to Lake Hovsgol, northwest Mongolia, during the last glacial-postglacial transition : Constraints from sulfur geochemistry2010
Author(s)
F.W.Nara, T.Watanabe, T.Kakegawa, H.Seyama, K.Horiuchi, T.Nakamura, A.Imai, N.Kawasaki, T.Kawai
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Journal Title
Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology
Volume: 298
Pages: 278-285
Peer Reviewed
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