2008 Fiscal Year Annual Research Report
四量体構造-機能相関解析に基づく癌抑制タンパク質p53の機能修復
Project/Area Number |
08J04981
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鎌田 瑠泉 Hokkaido University, 大学院・理学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 癌抑制タンパク質p53 / 変異 / 四量体形成 / 安定化剤 / カリックスアレーン |
Research Abstract |
癌抑制タンパク質p53は様々な遺伝毒性ストレスに応答して活性化し、下流の種々の標的遺伝子の転写を活性化させて細胞周期停止・アポトーシスを誘導する。四量体形成はp53のDNA結合、翻訳後修飾、安定化に必須である。p53の変異はヒト悪性腫瘍で最も多く認められる異常であり、癌遺伝子治療の重要なターゲットの一つである。本研究では、四量体形成ドメインおよびDNA結合ドメインに変異を持つ変異型p53の機能回復を目指し、『四量体形成ドメイン変異型p53の構造を安定化させる新規化合物の開発』および『DNA結合ドメインの変異に対する非ヘテロオリゴマー形成性の改良型p53の開発』を目的としている。 変異型p53の四量体構造を安定化させる新規化合物のターゲットとして、四量体構造界面に存在する6個のGlu残基を選択した。この部位に特異的に結合する化合物の基本骨格には6価の官能基を配置することが可能なカリックス[6]アレーンを選択し、現在までに官能基としてピラゾリル基およびイミダゾリル基を持つカリックス[6]アレーンの合成を完了した。合成した化合物を変異型p53TDペプチドに加え、四量体構造の安定性変化をCDスペクトルにより解析した結果、ピラゾリル-カリックス[6]アレーン,イミダゾリル-カリックス[6]アレーン共に変異型ペプチドF328V,R337Hを安定化した。さらに、安定化剤や変異型により安定化効果に差が見られ、他の変異型ペプチドに対する効果を解析することにより安定化機構の解明が期待される。
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Research Products
(8 results)