2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J05006
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
中道 直子 Tokyo Gakugei University, 連合学校教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 発達心理学 / 認知 / ふり游び / 幼児 |
Research Abstract |
1.他者のふりの理解の発達モデルの構築(及びレビュー論文の作成) 子どもは1歳半頃から,食べるふり,お母さんになったふりなどの様々なふりをしはじめる。同じ頃,周囲の大人(主に母親)も子どもの前で様々なふりをして見せる。では,子どもはどのようにして他者がふりをしているのだとわかるのだろうか。 第1に,母親が子どもの前でふりをして見せる際,「これはふりだ」と分かるようなシグナル(笑いや視線などで)を発信し,それが子どもの理解を助けていると考えられる。一方,子どもの側でも他者の心的表象(例:意図,知識)を理解する能力が発達していくことで,ふりの理解が深まっていく。すなわち,幼児は他者(ふりをする人)が「お菓子があるつもり」(意図)で,お菓子を食べるふりをしていることに気づいていくのである。このように,子どもの他者のふりの理解は,子ども外の要因(ふりシグナル)と,子ども自身の要因(他者の心の理解)が絡み合って進んでいくものだといえるが,この2つの要素を取り入れた子どもの他者のふりの理解の発達モデルはないため,そのモデルを構築した。 2.1歳半児に対する,日本の母親のふりシグナルの発信 母親が子どもに対してふりをして見せるときにふりシグナルを発信するかどうかを検討した。その結果,母親はおやつを本当に食べる場合より,食べるふりをするときに,多く微笑し,子どもを長く注視し,効果音(擬音語,擬態語など)を多く発するなど,ふりシグナルを発信することが分った。これらのふりシグナルは子どものふりの理解を助けていると考えられる。母親のふりシグナルへの子どもの反応については現存分析中である。
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Research Products
(2 results)