2008 Fiscal Year Annual Research Report
線虫を用いたMAPキナーゼカスケードによる寿命制御機構の解析
Project/Area Number |
08J05007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥山 哲矢 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 老化・寿命 / C. elegans / ERK MAPキナーゼカスケード / インスリン / IGFシグナル伝達経路 / SKN-1 |
Research Abstract |
MAPキナーゼカスケードは、生物種を超えて保存されており、様々な生理学的現象を制御しているシグナル伝達経路である。これまでに申請者は、線虫を用いた研究により、寿命を負に制御するMAPキナーゼカスケードの遺伝子があることを明らかにしていた。一方、細胞増殖や個体発生などを制御しているERKカスケードが寿命の制御にも関与しており、寿命を延長するように機能することを初めて明らかにしていた。 さらなる解析により、申請者は、ERKの上流のキナーゼであるMEK1/2の阻害剤であるU0126を用いた解析や、線虫MPK-1を不活性化する脱リン酸化酵素LIP-1についての発現抑制を行った実験により、線虫ERK(MPK-1)の活性化によって寿命が延長されることが分かった。 また線虫ERK(MPK-1)カスケードによる寿命制御はインスリン/IGFシグナル伝達経路の最終的な標的である転写因子DAF-16および酸化ストレス防御に必要な転写因子SKN-1に依存することを明らかにしていた。さらに申請者によって、遺伝学的解析から線虫ERK(MPK-1)カスケード、DAF-16およびSKN-1の寿命制御における関係性が分かった。また哺乳類培養細胞の系を用いて、線虫ERKであるMPK-1を活性化することができる条件の検討を行っている。今後、生化学的解析により線虫ERK(MPK-1)カスケードによる寿命制御に関与する因子の関係を明らかにする予定である。
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Research Products
(1 results)