2008 Fiscal Year Annual Research Report
モデル実験による底づけ付加の再現と地層流体の移動特性の解明
Project/Area Number |
08J05034
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮川 歩夢 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 付加体 / 底付け / 数値シミュレーション / デコルマ / 序列外スラスト / 検層 / ガスハイドレート / 物性変化 |
Research Abstract |
本研究課題の第1年次の研究実施状況として主なものを以下の3点を上げる事ができる。 1.デコルマにおける摩擦特性変化が付加体上部の構造に与える影響についての検討 研究課題第1年次の本年度は、デコルマの物性変化と底付け付加とを直接結びつける前に、底付け付加がおきる付近で同様に観察される序列外スラストとデコルマの物性変化との関連性について検討した。本年次の研究結果から、沈み込み方向に向かってデコルマでの地層水の脱水が進み結果としてデコルマ沿いの摩擦が上昇すると仮定した場合、天然の付加体で観測されるのと同様の序列外スラストが形成される事が明らかになった。これはデコルマ沿いの摩擦が上昇することによって、プレートの沈み込みに伴う圧縮力が海溝側に伝わらず付加体内の変形を進めるため、既存の断層が不活性になり新たに序列外スラストを形成するためであると考えられた。 2.海洋掘削によって取得された付加体浅部での流体移動に対するガスハイドレートからの検討付加体内の地層流体の移動特性の理解のために、一昨年度に行われた統合国際深海掘削計画(IODP)による熊野灘沖南海トラフ付加体の掘削データの解析を行った。本年次は掘削データから、付加体上部に堆積層を形成する前弧海盆における地熱構造とガスハイドレートの濃集状況に関する解析を行った。 3.陸上の付加体露頭におけるせん断帯の岩石変形の観察 現在も活発に形成され続けている付加体の多くは海底に分布するが、陸上においてかつての付加体を観察することができる。三浦・房総半島もそのような場所の一つである。本年次は房総半島の保田付加体にて天然の付加体内に存在する変形様式を観察した。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Estimation of gas hydrate saturation with temperature calculated from hydrate threshold at C0002 during IODP NanTroSEIZE Stage 1 expeditions in the Nankai Trough2008
Author(s)
Miyakawa, A., Yamada, Y., Saito, S., Bourlange, S., Chang, C., Conin, M., Tomaru, H., Kinoshita, M., Tobin, H., 314/315/316Scientists
Organizer
A2009 GU Fall Meeting
Place of Presentation
USA SanFrancisco
Year and Date
2008-12-17
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