2009 Fiscal Year Annual Research Report
モデル実験による底づけ付加の再現と地層流体の移動特性の解明
Project/Area Number |
08J05034
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮川 歩夢 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 付加体 / 底付け / 数値シミュレーション / デコルマ / 序列外スラスト / 断層形成 / 応力 / 多変量解析 |
Research Abstract |
付加体内の構造形態の変化は、地震発生帯の上限(海側の端)と関係があることが指摘されている。このような付加体内部の構造形態の違いは、付加体内の応力と物性によって決定されていると考えられる。我々は、数値シミュレーションにより付加体の形成過程を再現し、付加体内の応力分布を時系列的に調べた。本研究から,付加体の形成過程を再現し、内部の応力状態を計測することによって、フロンタルスラスト形成時の力学環境を明らかにした。まず、堆積層が海溝に近づくにつれて、最大圧縮応力軸は水平方向に回転し、主応力比は増加する。このような応力状態でフロンタルスラストが形成される。しかし、フロンタルスラストの形成及び活動に伴って、主応力軸は回転し、主応力比は減少する。変化した応力場ではフロンタルスラストの活動度は低下してしまう。フロンタルスラストの活動なしでは、沈み込みに伴う応力を解消できなくなるので、応力がさらに海側の堆積層内に伝播する.本研究では付加体先端を対象としたが,今後さらに陸側の領域における変形構造と応力の関係を明らかにする.自己組織化マップ(SOM)とk-means法を用いて,堤防縦断方向に取得された複合物理探査データから,堤防内の土質性状を分類する手法を提案した.解析結果は,開削,ボーリング調査により推定されている堤防内の土質分布を良く表わしていた.また,解析結果における各分類クラスの有する物理探査データを読み取る事で,各クラスが表す土質性状をある程度推察することが可能であることが示された.本手法を用いれば,多数種の複合物理探査から,客観性の高い土質性状の分類を行うことが可能となる.この解析手法は,今後シミュレーションで取得される複数種のデータ解析を行う上で用いられる予定である.
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Research Products
(7 results)