2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J05052
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清原 洋太 Osaka University, 医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 概日時計 / リアルタイムモニター |
Research Abstract |
我々は昨年度、概日時計に関与するエンハンサーを効率良く同定する手法を開発することに成功している(Kiyohara et al.,2008 Nucleic acids res 36(4):e23)。これは、原核生物のTn5トランスポゾンを応用して、ゲノム配列に関わらず概日時計工ンハンサーを直接探索するものである。この手法を用いて時計遺伝子の周辺領域を調査したところ、強い概日時計エンハンサーを予測することができた。この領域自体は、これまでの報告からエンハンサーの存在が示唆されていたが、我々はリアルタイムモニターによってさらに詳細に解析した。すると、エンハンサー自体はこれまでに分類される概日時計エンハンサーであるにも関わらず、異なる掛能を持っていることをつきとめた。乃ち、同じ分類に属するエンハンサーによる概日リズムと位相が大きく異なっていた。このことは、概日リズムの発生メカニズムは、単純な転写制御のフィードバックループだけではない事を示唆している可能性がある。 我々は、概日リズム発生における転写後制御の重要性を示す為に、概日時計遺伝子の発現誘導細胞を構築してきた。これまでに、概日時計のネガティブフィードバックループにおける抑制因子Per及びCryの発現誘導株を作成してきた(Yamanaka et al.,2007 FEBS Lett.581(21):4098-102、他)。今回新たに、抑制因子であるPerとCryが同時に発現誘導できる細胞株を2ライン樹立した。これらの細胞株を組み合わせて用いることで、PerとCryの機能の関係、フィードバックループの役割の解明につながると期待できる。
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