2009 Fiscal Year Annual Research Report
樹状突起パターンの多様性を生み出す転写調節システムの解明
Project/Area Number |
08J05064
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森山 佑佳子 (服部 佑佳子) Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 神経細胞分化 / DamID法 / ショウジョウバェ / 樹状突起 |
Research Abstract |
神経細胞の入力を担う樹状突起の形態は、神経細胞のクラスごとに非常に多様であり、入力情報の特異性に寄与する。ショウジョウバエ末梢神経系のdendritic arborization (da) neuronは樹状突起の分岐の複雑さと受容野の大きさに従ってクラスIからクラスIVに分類される。我々はこれまでに最も単純なクラスIで発現する転写調節因子Abrupt(Ab)と最も複雑なクラスIVで発現する転写調節因子Knot(Kn)が、それぞれのクラスに特徴的な樹状突起パターンの形成を担うことを明らかにした。KnとAbが、どのような遺伝子の発現を調節することで、クラスに固有の突起パターンを形作るのかを明らかにするために、DamID法を用いて、下流遺伝子の網羅的探索を行っている。DamID法は、生体内において転写因子結合部位を特異的メチル化により標識し、同定する手法である。 具体的には、DamID法を用いたマイクロアレイ解析を行い、転写調節因子AbとKnの染色体上での結合部位について、ゲノム規模でのデータを取得し、結合部位近傍に存在する下流遺伝子候補の探索、絞り込みを行った。絞り込んだ標的候補遺伝子について、in situ hybridization法による生体内での発現パターン解析を行った。さらに、樹状突起形態形成における機能喪失実験を行い、クラスIニューロンやクラスIVニューロンの樹状突起形態形成に重要な働きを担うことが期待される遺伝子を複数得ることができた。DamID法によるAbあるいはKnの結合部位情報からさらに、da neuronで機能し、樹状突起の形態形成に役割を担っている遺伝子を同定する目的で、da neuronを単離してRNAを回収し、発現マイクロアレイ解析を行っている。
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Research Products
(6 results)