2010 Fiscal Year Annual Research Report
平面内細胞極性における非典型的カドヘリンと微小管の役割
Project/Area Number |
08J05086
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
毛利 亘輔 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 平面内細胞極性 / Drosohila melanoaster / Cohesin / コルネリア・デ・ランゲ症候群 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、コヒーシン複合体のサブユニットのひとつ、SMC3について平面内細胞極性(PCP)における機能を解析した。モザイク解析を用い蛹期の翅でSMC3変異体のクローンを作成すると、Fmiタンパク質の量が上昇していた。平面内細胞極性に関与する他の遺伝子についてその発現を抗体染色法により確認したところ、FrizzledとDachsousの発現量に変化は見られなかった。また、BasolateralのマーカーであるDlgを抗体染色したところ、こちらも顕著な異常は見られなかった。Fmiの発現上昇が転写調節によるものかどうかを確認するため、リアルタイムPCR法を用い、fmi遺伝子の転写が変動しているかを調べた。三齢後期の幼虫の翅成虫原基を野生型とSMC3ノックダウン系統それぞれから採取してRNAを調整してリアルタイムPCRのサンプルとした。リアルタイムPCRの結果野生型とSMC3ノックダウン系統でfmi転写量の変動は見られなかった。fmiの発現量を別の方法で定量するため、in-situハイブリダイゼーション法を用いて蛹期の翅におけるfmi発現変動を調べた。ptc-GAL4を用いて翅の一部領域でSMC3をノックダウンし、fmiプローブを用いて血fmi発現変動の検出を試みたが、顕著な変化は見られなかった。SMC3ノックダウンにおけるfmiは転写量の変化ではなく、タンパク質の安定性などが変化している可能性もある。 これらの成果は、PCP研究はもとより、コヒーシンの転写制御における機能を解析する上でも非常に意義を持つ。
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Research Products
(1 results)