2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストンシャペロンおよびその複合体のX線結晶構造解析
Project/Area Number |
08J05113
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
赤井 祐介 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, バイオメディシナル情報研究センター, 特別研究員(PD)
|
Keywords | クロマチン / 転写 / 基本転写因子TFIID / X線結晶構造解析 / ヒストンシャペロン |
Research Abstract |
本年度は、ヌクレオソーム構造変換に関わるタンパク質群の大量発現、精製、結晶化、in vitroにおける機能解析を行い、以下の結果が得られた。CIA/ASF1-ブロモドメイン複合体の構造-機能解析に関しては、CIA/ASF1-ブロモドメイン複合体の立体構造情報を基に、遺伝学的・生化学的・ChIP解析を進めた結果、「アセチル化ヒストンを認識するブロモドメインを介してCIA/ASF1が特定のヌクレオソーム上にリクルートされ、CIA/ASF1がブロモドメインからヒストンへと受け渡されてヌクレオソーム構造を破壊することで遺伝子の発現を制御する」という分子機構モデルを導きだすことができた。これらの研究成果は、部位特異的なヌクレオソーム構造変換の分子機構に迫る成果としてPNAS誌に掲載された。 TAF-Iβ-ヒストンH3-H4複合体の解析に関しては、2種類のタンパク質の大量発現・精製系を確立し、常時、結晶化できる体制を整えることができた。これらの精製評品を用いて、ハンギングドロップ蒸気拡散法により結晶化を行った結果、塩を沈殿剤とする結晶化条件において、針状の沈殿物が析出することが分かった。この針状の析出物を利用してミクロシーディングを行ったところ、数ヶ月が経過して時点で単結晶を得ることに成功した。今後、結晶化条件のスクリーニングや条件の最適化を行うことで、構造解析に使用できるレベルの結晶が得られることが期待される。
|
Research Products
(1 results)