2008 Fiscal Year Annual Research Report
原子レベルで平坦な強誘電体の清浄表面の形成とその基礎電子物性の解明
Project/Area Number |
08J05116
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松元 大輔 Kyushu University, 理学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 強誘電体 / 分極 / 表面 / 2次元電子 / 分域 / 反電界 / ナノ物性 / 清浄化 |
Research Abstract |
強誘電体は応用でも重要な物質で、微細化が進み環境問題への応用も開始している。この基礎として、表面と界面が重要であるが、強誘電体の清浄自由表面に電子層が存在することが発見され、微小な強誘電体の理解に寄与した。最近、この現象が欠陥等によらない本質的なものであることを確定したものの、極く表面で起こるため、表面状態に極めて敏感であることが分り、表面を原子レベルで平坦化、清浄化しないと定量的な物性研究にならないことが判明した。そこで、本研究は、はじめに(1)原子レベルに平坦な清浄表面を持つ強誘電体単結晶の形成方法を確立し、この技術により原子レベルに平坦化清浄化された試料で、(2)超高真空(UHV)中で強誘電体表面電子・ホール層の電気伝導度の絶対値、伝導型などの基礎電子物性を解明することを目的とする。 当該年度、この原子レベルに平坦な清浄表面を持つ強誘電体単結晶の形成方法の開発に取り組んだ。物理的、化学的手法を検討した結果、原子ステップが確認できる清浄で平坦、かつ酸素抜けのないチタン酸バリウム表面の制御に成功した。これにより、表面電気伝導度の計測に際して生じる、凹凸による伝導電子のトラップや吸着物による遮蔽を低下し、より定量的な電気伝導度計測を可能にする基礎を作ったと言える。さらに、応用においては、この平坦化・清浄化技術を基礎にしてこの強誘電体表面の制御技術を用いた各デバイスの高機能化の可能性を開いた。一方で、スケーリングによって定量的な電気伝導度計測を行うために、微小な電極形成技術について検討を行った。その結果、電極形成手法によって10μmレベルまでスケーリングを可能にした。
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Research Products
(11 results)