2010 Fiscal Year Annual Research Report
素子のダイナミクスとネットワーク構造の動的関係性と機能発現
Project/Area Number |
08J05147
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青木 高明 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 位相振動子 / ネットワークダイナミクス / 自己組織化 / 拡散過程 / 可塑性 / 集団運動 |
Research Abstract |
物流・交通、電力網やInternetに代表される通信ネットワークなど、大規模なネットワークシステムは我々の社会を支える重要なインフラとして、その重要度をさらに増している。近年の研究により、これらの大規模ネットワークは共通した構造特性(スケールフリー構造)を有することが発見され、研究課題となっている。従来では、スケールフリー構造は"Rich-gets-Richer"という経験的ルールを導入することで現象論的に説明されてきたが、依然ネットワーク構造がもつシステムとしての機能的意味や、スケールフリー構造の発生過程については未知の点が多く残っている。 これに答えるべく本研究では、ネットワーク上の資源(人・情報パケット・資金)の拡散過程について注目し、資源に依存して形成されるネットワークダイナミクスを単純な力学モデルとして定式化した。結果として、拡散過程と重み成長過程の共変化過程によって、自己組織的にスケールフリー構造が形成されることを発見した。さらにノード強度に関して閉じた近似方程式を導出し、資源の幕分布が形成される条件を明らかにした。 大規模ネットワーク上の拡散過程は、現代社会での伝染病伝播や、ソーシャルネットワーク上の噂の拡散過程、効率的なパケット通信などの諸問題に関わる基礎として重要である。本研究課題ではこのような拡散過程を素子のダイナミクスとして、ネットワーク構造形成が行われるとき自発的にスケールフリー構造が発現することが示した。この結果は、ネットワーク構造の機能理解を進める上で重要である。
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Research Products
(10 results)