2008 Fiscal Year Annual Research Report
O-アシルイソペプチド法によるペプチド合成:ラセミ化フリーセグメント縮合法の開発
Project/Area Number |
08J05206
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
吉矢 拓 Kyoto Pharmaceutical University, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 固相合成 / difficult sequence / O-アシルイソペプチド法 / ラセミ化 / セグメント縮合 / ペプチド / 収斂的合成 / エピメリゼーション |
Research Abstract |
ペプチドやタンパクの有機化学的全合成は、その生物学的解析において重要である。しかしながら、通常の段階的固相合成法では、合成可能なペプチド鎖の残基数に限界がある。そこで、より大きなペプチドやタンパクの合成を目的として、セグメント縮合法やNative Chemical Ligation法等の収斂的合成法が提案されてきた。中でも、セグメント縮合法はペプチドやタンパク合成において特に強力な手法であるが、縮合中、N-セグメントのC-末端アミノ酸残基のカルボキシル基を活性化する際に、オキサゾロン環形成を経たエピメリ化を伴うという重大な欠点を持っている。したがって、通常、セグメント縮合法には、N-セグメントのC-末端アミノ酸残基としてGlyもしくはPro残基のみしか選択出来ないという制限が存在する。 本研究者らは、以前difficult sequence含有ペプチドの効率的合成を目指し開発したO-アシルイソペプチド法をセグメント縮合法へ応用した。つまり、N-セグメントのC-末端残基において、O-アシルイソペプチド構造を取らせることにより、縮合時のラセミ化を防ぐものである。本手法を用いて、インフルエンザウイルス関連ペプチドなどの効率的な合成を行った。この際、エピメリ化等の副反応は観測されなかった。N-セグメントのC-末端としてGlyもしくはProしか選択できないという従来のセグメント縮合法の制約を打破できうる本手法を用い、今後、さまざまな生理活性ペプチドの効率的合成を行っていく。
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Research Products
(9 results)